横浜地方裁判所 昭和41年(タ)73号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕<証拠>によれば、原告はその生母甲が被告との同棲生活の結果同人の子を懐胎して分娩したものといわなければならない。
ところで認知の要件についての準拠法は法例第一八条第一項によつて、子については認知の当時子の属する国の法律によるべきものとされているから子たる原告については日本民法によるべきであり、右認定の事実によれば、原告について認知の要件を具備していることは明らかである。次に父については認知の当時父の属する国の法律により定めるべきであり、同条第二項により認知の効力は父の本国法によると定められ、何らの国籍を有しない場合は同法第二七条第二条によつて、その住所地法をもつて本国法とみなし、その住所が知れないときはその居所地法によると定められているところ、<証拠>によれば被告は無国籍人であり、かつ、現在の住所地も居所地も判明しないことが認められるから父たる被告の本国法を知ることができず、結局本訴における父についての準拠法は条理であると解すべきである。そして右認定の如き事情のもとにおいて、本件認知を認めることは条理上当然というべく、日本の法律に反するものとも認められないから、原告の本訴認知請求は理由がある。(青山惟通)